訪問鍼灸マッサージ

リハビリと鍼灸マッサージの違いとは?併用のコツを解説!

在宅ケアを考える際に、「訪問マッサージ」と「訪問リハビリ」のどちらを選べばいいのか迷う方も多いのではないでしょうか?

どちらも自宅で受けられる医療・介護サービスですが、その目的や提供者、適用保険などには大きな違いがあります。本記事では、それぞれの特徴やメリットを詳しく解説し、どちらが適しているのかを判断するポイントをお伝えします。

1. 訪問マッサージと訪問リハビリの基本的な違い

参考文(https://www.kaigosoudan21.jp/column/detail/207/column0078

2. 訪問マッサージとは?

(1)訪問マッサージの目的

訪問マッサージは、事故や病気、入院、運動不足などが原因で筋肉の麻痺や筋力低下、関節拘縮がある方を対象に、筋肉の緊張を緩和し、血流を促進して関節の可動域を改善することを目的としています。

特に、以下のような状態の方に適しています。

  • 関節拘縮(関節が固まってしまい動かしにくくなる状態)
  • 筋麻痺(脳卒中後の後遺症など)
  • 筋萎縮(長期間の寝たきりによる筋力低下)
  • 慢性的な痛み(リウマチや神経痛など)

また、訪問マッサージはリラクゼーション効果もあり、施術中の会話が精神的な安定にもつながります。


(2)訪問マッサージの施術内容

訪問マッサージでは、以下のような手技が用いられます。

  • マッサージ(筋肉をほぐして血行を促進)
  • ストレッチ(関節可動域の改善)
  • 運動療法(筋力維持や回復)
  • 鍼灸施術(神経痛やリウマチなどの痛みの緩和)

(3)訪問マッサージを受ける条件

下記(A)筋麻痺・筋萎縮または(B)関節拘縮の症状があり、(C)公共交通機関を使っての自力通院が困難で、医師の同意があること

対象者の症状

訪問マッサージは、病名・診断名ではなく、下記のような症状があるかどうかがポイントになります。

(A)筋麻痺・筋萎縮がある方又は、(B)関節拘縮がある方

(A)筋麻痺・筋萎縮

体の筋肉が動かない麻痺や筋力低下です

(B)関節拘縮

関節の可動域制限、関節機能低下の状態です

対象者の状態

(C)公共交通機関を使っての自力通院が困難な方

身体的要因だけでなく、社会的要因も含めて公共交通機関を使っての自力通院が難しい方が対象となります。

引用元:LIFULL介護

3. 訪問リハビリとは?

1)訪問リハビリの目的

訪問リハビリは、要支援・要介護者が在宅で日常生活を自立して送るために、身体機能の回復や維持を目指すリハビリを行います。

  • ベッド上での動作訓練
  • 食事やトイレ動作の訓練
  • 生活動作の獲得を目的としたリハビリ

訪問リハビリは、病院や介護施設に通うのが難しい方が自宅で継続的に受けられるリハビリの選択肢として重要です。


(2)訪問リハビリの施術内容

訪問リハビリでは、以下のような訓練が行われます。

内容 詳細
病状の観察 バイタルチェック(体温、脈拍、呼吸、血圧測定等)
身体的病状の観察
精神面の健康状態の確認
介助者の健康状態の確認
心身トラブルの再発予防と回復期間の見立て
身体機能の改善 身体機能(筋力、柔軟性、バランス等)の維持、改善
痛みの評価と物理療法等の疼痛緩和
摂食嚥下機能やコミュニケーション機能の改善
日常生活の指導・助言 ADL(日常生活動作)指導
福祉用具または補装具、住宅改修など環境面の評価と相談
他の介護サービススタッフに対するケア方法の助言・指導
QOL(生活の質の向上)や趣味、社会参加促進のための助言
介護相談、家族支援 療養生活上の相談、家族への介護指導、精神的な支援
福祉制度利用の助言、相談
ケアマネジャーとの連携

引用元:LIFULL介護


(3)訪問リハビリを受ける条件

訪問リハビリテーションを利用したい場合は、まず担当のケアマネジャーに相談しましょう。主治医にも訪問リハビリテーションが必要だとする指示書を書いてもらう必要があります。利用手順は下記の通りです

訪問リハビリテーションの利用手順
1.担当のケアマネジャーに相談、事業所を選定する

2.主治医に訪問リハビリテーションを利用したい旨を伝え、診療情報提供書、指示書などの必要書類作成を依頼する

3.訪問リハビリテーション事業者と契約

4.訪問リハビリテーション事業所の医師を含める専門職が、主治医の指示書等を参考にしながらリハビリテーション計画書を作成する。ケアマネジャーはケアプランに組み入れる。

5.利用開始

引用元:LIFULL介護

4. 訪問マッサージと訪問リハビリの併用は可能?

訪問マッサージと訪問リハビリは、併用が可能です。

例えば、リウマチや神経痛で痛みを和らげるために訪問マッサージを利用し、機能回復のために訪問リハビリを受けるといった形での併用が効果的です。

週3回の訪問マッサージ + 週2回の訪問リハビリ
訪問マッサージを週2回、訪問リハビリを週3回 + 週1回の通所リハビリ

このように、それぞれのサービスを組み合わせることで、より効果的な在宅ケアが可能になります。

5. どちらを選ぶべき? 判断のポイント

  • 痛みの緩和やリラクゼーションが目的訪問マッサージ
  • 生活動作の回復・維持を重視訪問リハビリ
  • 併用が必要かどうか医師やケアマネージャーと相談

かかりつけ医やケアマネージャーと相談しながら、自分や家族に最適な選択をしましょう。

6. 併用のコツを総まとめ!

リハビリと鍼灸マッサージは、どちらも身体の機能回復を目的としますが、アプローチが異なります。リハビリは理学療法や作業療法を通じて、運動機能や日常動作の改善を図ります。一方、鍼灸マッサージは、ツボや経絡を刺激し、血流促進や筋肉の緊張緩和を行います。

併用のコツ

  1. 目的を明確にする
    リハビリは「機能回復」、鍼灸マッサージは「痛みの緩和や血流改善」と役割を分けることで、より効果的に併用できます。

  2. タイミングを工夫する
    鍼灸マッサージで筋肉をほぐした後にリハビリを行うと、関節の可動域が広がり、運動の効果が高まります。

  3. 専門家と相談する
    医師や理学療法士、鍼灸師と連携し、無理のない施術計画を立てることが重要です。

  4. 自宅ケアを取り入れる
    自宅でのストレッチや温熱療法を併用することで、相乗効果を得られます。

リハビリと鍼灸マッサージを適切に併用することで、より早く効果的に身体機能を回復させることができます。