北斗の拳のツボシリーズ

訪問マッサージの効果は何日で出る?施術頻度と継続の目安を専門家が解説

「訪問マッサージを始めたら、どれくらいで効果が出るの?」「週に何回くらい受ければいい?」「いつまで続けるべきなの?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

たとえば、寝たきりの高齢者に訪問マッサージを導入しても、数回では目に見える変化が出ないこともあります。その結果、「効果がないのでは」と不安になってしまう方もいらっしゃいます。

しかし、訪問マッサージは慢性的な症状や筋肉の硬直に働きかけるものであり、一定期間の継続が必要です。1回で劇的な変化が見られるわけではありませんが、継続によって徐々に改善を実感できる場合が多くあります。

本記事では、訪問マッサージの効果が現れるまでの期間、最適な施術頻度、継続の目安について、現場の実情を踏まえて詳しくお伝えします。

さっそく、訪問マッサージの効果がいつごろから感じられるのかについてみていきましょう。

訪問マッサージの効果は何日で出る?

訪問マッサージの効果は、数日で現れる場合もあれば、数週間から数か月かかることもあります。

その理由は、対象となる利用者の多くが、慢性的な痛みや筋肉の硬直、関節拘縮といった長期間にわたる症状を抱えているためです。

たとえば、脳梗塞の後遺症による片麻痺の方の場合、1〜2回の施術では可動域や痛みの改善は難しく、少なくとも2週間から1か月程度の継続が必要とされます。実際の効果が見られるのは、3週間目以降が多いと報告されています(※1)。

一方で、筋肉のこわばりが比較的軽度な場合や、体調の変化に敏感な方では、1〜2回の施術で「身体が軽くなった」「関節が動きやすくなった」と感じることもあります。

このように、効果の現れ方には個人差がありますが、「短期間で判断せず、3〜4週間は様子をみる」ことが大切です。

訪問マッサージの施術頻度は週何回が適切?

訪問マッサージの頻度は、症状の重さや生活環境によって異なりますが、週2〜3回が一般的な目安とされています。

この回数が推奨されている理由は、身体に無理をかけずに継続的な刺激を与え、効果を積み上げていくことができるためです。

たとえば、筋麻痺や関節拘縮がある利用者では、週1回では刺激が足りず、効果が感じられにくいことがあります。週2〜3回であれば、筋肉や関節への刺激が持続し、改善が見込まれる可能性が高くなります。

医師の同意書があれば、最大週6回までの施術が保険適用されますが、実際にそこまでの頻度が必要なケースは多くありません。

また、利用者の体調や介護状況によって、あえて施術の回数を減らすこともあります。体力の消耗が激しい方や、持病の関係で過度な刺激が禁忌となる場合は、週1〜2回からスタートすることが望ましいとされています。

訪問マッサージはどのくらい続けるべき?

訪問マッサージの継続期間は、明確に「何か月まで」と定められているわけではありませんが、最低でも3か月は様子を見ることが推奨されています。

その理由は、筋肉のこわばりや関節の動きの改善には時間がかかるためです。

とくに慢性的な関節拘縮などは、可動域の改善だけでなく、再発防止や維持のためにも継続的なケアが重要です。一時的に症状が改善しても、施術を中断すると数週間で元の状態に戻ってしまうこともあります。

実際に、厚生労働省が定める同意書の有効期限は3か月となっており、これは「3か月ごとに見直しを行い、継続の必要性を判断する」という意味でもあります(※2)。

マッサージの継続により、痛みの軽減だけでなく、日常生活動作(ADL)の維持や転倒防止といった副次的な効果も期待できるため、本人の状態に応じて、長期的に利用するケースも多くみられます。

効果を高めるためにできることとは?

訪問マッサージの効果を最大限に引き出すためには、利用者本人だけでなく、家族や介護スタッフの協力も重要です。

たとえば、施術後に水分をしっかりとることは、老廃物の排出を助け、施術の効果を高めるといわれています。また、適度な運動やリハビリとの併用も、関節や筋肉の動きを保つうえで有効です。

さらに、施術内容や身体の反応について、マッサージ師と共有することも大切です。「今日は少しだるそうだった」「右肩の動きが改善してきた」など、日々の変化を報告することで、施術内容の調整や安全性の確保につながります。

施術を受ける環境も効果に影響を与えます。部屋の温度を適度に保ち、静かな空間を整えることで、心身ともにリラックスした状態で施術を受けることができます。

まとめ

訪問マッサージは、即効性よりも継続的な効果を重視する医療的なケアであることをお伝えしました。

症状によって効果の現れ方は異なりますが、週2〜3回の頻度で3か月ほど継続することで、多くの場合に改善が見込まれます。本人の体調や生活状況にあわせた無理のない継続が、最終的な改善につながります。

※1 一般社団法人 全国鍼灸マッサージ協会:https://www.zenshin.jp/use/houmon

※2 厚生労働省「はり・きゅうの療養費について」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000194157.html